【企業分析Part4】自律ロボでライフスタイルを革新する企業ZMP

おはこんばんちは。りってるです。

最近、企業分析にあたり、日本のスタートアップについて調べていたのですが、スタートアップの情報って探しにくいんですよね。

上場していないのでIR情報は基本的に公開されていないですし。

 

しかし、探してみると便利なサイトがありました。

スタートアップDB

ここには、スタートアップの企業情報がかなり集められています。

想定時価総額みたいな情報やスタートアップの代表へのインタビュー記事もあり、見ていると面白いです。気になる方はご覧になってください。

で、今回は、このサイトの想定時価総額ランキングからピックアップした企業を分析してみました。

 

出典:国内スタートアップ想定時価総額ランキング最新版TOP50(2020年1月)

 

2020年1月とちょっと古いですが、
ここで17位にランキングしている自動運転関連の企業であるZMPに注目しました。

ここ最近いろいろな場所や企業とコラボして実証実験しているようです。

それでは分析にいってみましょう。

 

目次

ZMPの概要

 

ZMPは、自動運転技術およびロボット技術の研究開発、それを活かした自動運転車両の開発サポート、ロボットの製造販売、ロボットを用いたサービスの提供を行うスターアップです。

 

自動運転車両の開発サポートでは、
・自動運転車両開発プラットフォーム
・自動運転用ソフトウェア
を提供しており、
それらを用いた開発の支援もしています。

自分たちの開発ノウハウを提供するかんじですかね。

 

製造販売するロボットは多岐にわたり、
例えば、
・一人乗りロボット
・警備ロボット
・宅配ロボット
などがあります。

 

ロボットを用いたサービスはそのままで
・自律移動サービス
・無人警備サービス
・自律宅配サービス
です。

 

想定時価総額は383億円
(2020年1月時点)

ユニコーン企業(想定時価総額1000億円)にはまだ届かないですが、狙える可能性があるポジションですね。

 

ZMPの特徴

自動運転といえば、乗用車が高速を走っているイメージがありますが、ZMPのものは低速小型であるものが多いです。

出典:ZMPホームページ

こんな感じで小型であまりスピードを出さないものであるため、歩道や敷地内、屋内での使用が可能です。

公道を走るには法律の壁がありますので、なかなかハードルが高いですが、敷地内や屋内であればオーナーがOKを出せばできますので、小型の方が普及は早いと思われます。

 

また、実証実験も数多くやってます。

最近では高輪ゲートウェイ駅前の広場での自律移動ロボを用いたデリバリーの実験を行っているようでした。

出典:高輪ゲートウェイ駅前広場での デリバリー実証実験

 

さらに、他社とのコラボも多いです。
・楽天
・成田空港
・姫路市
・・・など多種多様です。

ソフトバンク(子会社のBOLDLY)もよくやっていますが、スタートアップとしてはかなり多いほうじゃないかと思います。

 

ZMPの業績

 

それでは業績の方はどうなのでしょうか。

 

下が直近4年間の売上高になります。

 

売上は順調に伸びていますね。

利益の方は分かりませんでした。

とはいえ、スタートアップなので成長中に赤字なのはよくあることなので、売上が伸びていることが大事です。

 

コロナの影響で、無人化が進むと思いますので、傾向として需要は伸びていくはずです。

その時、顧客(企業、エンドユーザ)のニーズに応えられるかがカギになりそうです。

 

ZMPの特許

 

最後に、特許について見ていきます。

日本での出願は42件特許は15件でした。
(2020/11/9時点)

 

出願年別にみるとこんな感じです。

ここ数年は増えてますね。

ただ、横ばい感もあります

 

次に、IPC分類でどの分野に出願しているか見ていきたいと思います。

下記は出願されているもののIPC分類トップ10の一覧です。

 

また、上の表をグラフ化しました。
(※IPCは1つの出願に複数つけられることがあります)

まず、ほぼすべてが移動体(車両や航空機)に関するものでした。

これは当然っちゃ当然ですね。

 

次に、分析結果の円グラフの赤字部分が、屋内・倉庫内に関するものです。

これはZMPの特徴に合致しますね。

 

ただ、他の分野については、内容を見てみると、役に立ちそうにないものも散見されました。

特に企業コラボが多いせいか、コラボ先の事業に沿った出願があり、一過性のもののような気がしました。

例えば、本田技研工業との共同出願では芝刈り機の発明(特開2017-181408)がありました。
(まあ事業化の可能性は低そうです)

単にコラボの成果物として出願したものなのかもしれません。
委託だとこういうのが結構あります。

 

感想としては、特許が事業と結びついていない感じがしました。

出資を引き出すのには必要だったのかもしれませんが、
ZMPのコア技術がしっかり守られているかというと、やや疑問が残りますね。

 

まとめ

今日は、自動運転や自律ロボットで革新にチャレンジするZMPを分析してみました。

アクティブに実証実験や他社コラボに取り組んでいる反面、技術の保護や強みの形成についてはまだ途中なのかな、といった印象でした。

コア技術が固まってくると、それを中心とした事業も定まってくるような気がしますので、そこに注目していきたいところですね。

ちなみに、上場しかけたところで情報流出が原因で中止したという経緯があるそうです。

ガバナンスや情報セキュリティにもやや不安が残りますね・・・。

 

何かの参考になれば幸いです。

ではでは。