【転職で気になる】弁理士・企業知財で年収1000万は可能なのか?
おはこんばんちは。りってるです。
転職を考えたキッカケはいろいろありますよね。
現状に不満や不安があったり、家庭の事情だったり。
その中でも皆さんに共通するものの1つに「年収」があるんじゃないでしょうか。
実際に転職した人も多くは年収がきっかけだそうです。
お金が全てではないですが、成果に対する報酬は高い方が達成感や充実感がありますよね。
よく年収の目安として1000万という数字がでてきます。
これくらい稼げたらいいですよね。
では、知財業界では年収1000万稼げるんでしょうか?
今日はそれを解説していきたいと思います。
知財で年収1000万は可能なのか?
単刀直入ですが
知財で年収1000万は可能です!
ただ、年々厳しくなってるので誰でも稼げますとは言えない時代になりました。
事務所勤務をしていた頃、所長から昔は景気良かったみたいな話をよく聞きました。
とはいえ、知財の仕事も働く場所で異なります。
・企業知財
・特許事務所
・独立開業
・登録調査機関
・特許庁
仕事の種類によって年収1000万に到達できるか否かも変わります。
また、年収1000万に到達できる仕事でも条件があります。
それらについて個別に解説します。
企業知財で稼げる?
まず、企業知財で年収1000万稼げるか?
答えはYESです。
とはいえ条件があります。
企業知財の給与水準は固定
企業知財は、企業における管理部門です。
スタッフ部門とも呼ばれます。
管理部門は利益を直接生みません。
ゆえにコストセンターとも言われます。
これに対し製品開発部門などは利益を生みます。
なのでプロフィットセンターとも言われます。
このように企業知財は自らの成果で利益を生まないので、成果報酬型の給与体系でなく給与水準がほぼ固定であることが多いです。
給与水準は業界・企業で決まる
では給与水準はどのようにして決まるか?
それは、業界や個別の企業によっておおよそ決まっています。
例えば、
・もともと給与水準が高い業界
・そこそこの給与水準の業界でトップレベルの企業
でれば、年収1000万は到達可能です。
給与水準が高い業界としては
コンサル、総合商社、不動産、電気通信、医薬・・・など。
最近だとITサービスも高くなっているようですが、この業界はエンジニアの待遇が良くなっていることが原因なので、知財部員は管理部門なのであまり優遇されないケースはありそうです。
こういった業界の知財部へ転職するか、
業界トップレベルの企業に転職するか、
が企業知財で年収1000万に到達する方法になります。
特許事務所勤務で稼げる?
次に、特許事務所で年収1000万稼げるか?
答えはYESです。
条件について解説します。
特許事務所での給与は個人成績と連動
特許事務所勤務の場合、給与は個人成績と連動します。
例えば、納品した明細書の数が多いほど事務所の売上も多くなります。
その売上に応じてその人の給与が決まります。
なので、年収を上げるためには売上を伸ばせる能力が必要です。
売上を伸ばせる能力は大きく2つです。
・高い品質の納品物を作成する能力
・顧客とのコミュニケーション能力
前者の品質については言わずもがなですね。
品質が良ければリピータになってくれます。
特許事務所によっては指名制を採用しているところもあり、クライアントが満足する品質で応えていれば指名で依頼がくるようになります。
そうなるとおのずと売上も上がります。
また、品質はそこそこでもコミュニケーションが上手い人にはやはり依頼が来ます。
これは別に営業トークが上手・下手という話ではなく、クライアントに必要な情報を適時に提供したり、ちょっとした事でもクライアントから言われる前にこちらから提案する、などといったことの積み重ねの方が効いてくると思います。
連動の大きさが事務所によって異なる
ただ、売上が多くても必ずしも年収が高くなるとは限りません。
確かに、売上が高くなるほど年収は高くなるのは間違いないです。
しかし、その連動の大きさが事務所によっては異なります。
例えば、売上が2000万であった場合に、
・ある事務所では年収が600万
・別の事務所では年収が800万
となったりします。
売上が同じなのに年収で200万も差が出ることになります。
きな臭いにおいがしますね…w
理由は連動の大きさです。
事務所では売上の何割かを年収とする還元率が存在します。
例えば、上記の例だと前者は還元率30%、後者は還元率40%です。
これが事務所によって異なります。
還元率が低い事務所だとどんなに頑張ってもあまり年収は上がりません。
業界としては還元率1/3が目安と言われています。
それを下回る事務所はブラックの可能性があるので要注意です。
さらに、同じ事務所内でも還元率が人によって異なる場合もあります。
例えば、入所数年は30%でその後40%になるとか、売上次第で上がったり、毎年の契約更改時に交渉して上げてもらうなど、様々なケースがあります。
なので、年収1000万を目指す場合、還元率が高い事務所で自己研鑽して売上を上げることが近道になります。
例えば、還元率が40%の事務所で売上2500万にすると年収1000万になります。
ただ、この売上2500万は人によっては結構キツいと思います。
理由は、事務所での仕事の単価が年々下がっているためです。
そのため、特許事務所で年収1000万稼ぐには、還元率の良い事務所に入って結構頑張る必要があります。
独立して稼げる?
お次は、独立して年収1000万稼げるか?
答えはYESです。
ただ、ご存じの通りリスクは高いです。
営業が大事
独立の一番の課題は顧客開拓です。
顧客がいないと売上がたちません。
なので、顧客を見つけるための営業が大事になります。
例えば、特許事務所を開業した場合、特許・意匠・商標の出願をしたいと考えている企業に営業を行うことになります。
しかし、これがなかなか難しいです。
大手企業を顧客にするのは難しい
大手企業だと既に利用している事務所がありますし、何らかの事情がない限り新たな事務所に依頼することはありません。
特に、小規模の事務所や個人事務所は使われにくいです。
理由は、大手企業だと品質よりも案件管理能力を重視するためです。
例えば、個人事務所だとその人に何かあれば仕事が滞ってしまいます。
その結果、特許庁とのやり取りの期限が過ぎてしまったりしてリカバリできない致命的な問題が生じる可能性があるのです。
また、中小企業だと資金力があまりないので特許に割けるお金がありません。
なので、営業しても空振りになる可能性が高いです。
顧客定着率は高い
ただ、一度顧客になってくれれば継続して依頼をもらえる可能性が高くなります。
特に、大手企業だと出願数が多いので、一定数の依頼が見込めます。
顧客が定着して、売上が上がれば年収も上がります。
知財業界の仕事は他業界と比べて人件費以外の経費が低いので、売上の上昇度合い以上に年収が上がりやすいです。
さらに、人を雇うことができれば加速度的に利益が増大します。
昔は高単価だったので、特許事務所経営者が長者番付載った時代もありました。
なので顧客がつかめれば、特許事務所勤務よりも年収は上がると思います。
(顧客がつかめれば・・・ですが)
登録調査機関や特許庁は?
最後に知財業界としては少し特殊なケースについて解説します。
登録調査機関や特許庁で年収1000万稼げるか?
答えは残念ながらNOです。
ここからはやや厳しい話になってきます。
登録調査機関の年収
登録調査機関ではサーチャーとして特許庁の審査のための調査を代理で行い給料をもらいます。
求人を見ると大体年収400~600万で、良いところでも最高800万といった感じです。
サーチャーで1000万はなかなか到達できなさそうです。
というのも、調査件数で給与が決まる仕組みではないからだと思います。
(断定はできませんがおそらく)
なので、どんなに頑張っても規定の給料を超えることはできないです。
特許庁の年収
特許庁では、審査官として特許出願などの審査を行い給料をもらいます。
審査官は大きく2種類あります。
・審査官
・任期付き審査官
このうち審査官は国家公務員試験に合格して採用されないとなれませんので、ここでは任期付き審査官について解説します。
任期付き審査官の年収は大体500~600万だそうです。
もちろん成果連動型ではないので、審査の件数をいくらこなしてもあまり年収は変わらないでしょう。
したがって、特許庁で働いても年収1000万は難しいです。
ちなみに、登録調査機関や特許庁の仕事・年収について興味がある方は、下記記事で詳しく解説していますので良かったらこちらもご覧ください。
弁理士じゃないと稼げない?
上述した通り、企業知財・特許事務所・独立であれば年収1000万は可能性ありと解説しました。
しかし、弁理士であることが前提条件なんじゃないか?
と思われた人もいるかもしれません。
答えはNOでもありYESでもあります。
弁理士じゃなくてもOKなケース
企業知財と特許事務所は弁理士じゃなくても年収1000万を狙えます。
企業知財は、先ほども述べた通り業界や企業によって給料水準が決まるので、弁理士であることとは無関係です。
確かに、弁理士だと資格手当がもらえる企業もまだあるかもしれませんが、それでも数万~十万程度しか変わらないと思います。
また、特許事務所でも、結局案件数をこなさないと年収は上がりませんので、弁理士であることは無関係です。
なので、企業知財や特許事務所なら弁理士でなくても年収1000万稼げる可能性はあります。
弁理士じゃないとNGなケース
これに対し、独立する場合は弁理士であることが必要になります。
それは、弁理士の業務は専権業務であるからです。
専権業務とは、その資格を有する者以外が行うことを禁じられた業務です。
これは弁理士法に定められています。
弁理士の使命、職務、日本弁理士会の制度などを定めるほか、無資格者の特許事務の取り扱い禁止、特許事務を取り扱う表示の禁止、弁理士・特許事務所の名称使用禁止などを定めている。
引用:Wikipedia 弁理士法
出願や鑑定といった業務は専権業務であり、事務所での売上のほとんどを占めます。
なので、知財で独立して年収1000万を得ようとすると弁理士であることが必須になってきます。
結論
知財で年収1000万稼げるのは下記の場合です。
・企業知財:給与水準が高い業界又は企業の知財部員
・特許事務所:還元率が高い特許事務所で売上を高める
・独立開業:資金力のある顧客を捕まえて継続的に依頼をもらう
企業知財のケースは知財に限られませんね。
なお、特許事務所や独立のケースは一応青天井です。
なので年収1000万以上稼いでいる人もいることはいます。
ただ、そういった人は能力的に飛び抜けているか、特殊事情がある人ですね。
あとがき
今回は、知財で年収1000万稼ぐケースについて解説しました。
お金が全てではありませんが、やはり報酬は成果を実感する要素の1つです。
多少大変でも上を目指す、という方には事務所や独立は向いているかもしれません。
この記事が少しでもキャリアを考える上で参考になれば幸いです。
ではでは。
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