【食える?食えない?】弁理士は将来性のないオワコンなのか?
おはこんばんちは。りってるです。
一時期、知財立国政策により弁理士試験の合格率が10%程度まで上昇しましたが、最近は7%前後に戻りました。
合格率7%の試験はやはり難関です。
このように合格が大変な弁理士ですが、巷では、将来性がないのでは?、食っていけるのか不安、といった声がチラホラ聞こえてきます。
せっかく取った資格で儲からないなんて最悪ですよね。
そこで、今回は「弁理士はオワコンなのか」についてお話したいと思います。
弁理士は将来性のないオワコンなのか?
結論から言うと
オワコンになる弁理士とならない弁理士に分かれる!
まず、オワコンかどうか=仕事があるかどうか、として考えます。
弁理士のメイン業務は、特許出願です。
なので、その特許出願が将来どうなるのかに左右されます。
残念ながら、日本の特許出願の数は、少しずつですが年々減少しています。
これを見たら、やっぱり将来性ないんじゃない?と思ってしまいますね。
でも、反対に外国出願は増えています。
このように、知財業界にはオワコンになる要素とならない要素の両方があるのが現状です。
なので、弁理士もオワコンになる人ならない人に分かれると思っています。
そこで、今回は、
・オワコンにならない要素
・オワコンにならない弁理士の条件
を解説していきたいと思います。
オワコンにならない要素
オワコンにならない要素は大きく3つあります。
順に解説します。
技術進歩する限り仕事がある
技術は、人類が文明を持って以来、常に開発し続けられてきました。
それは、今後も続きます。
人間の欲望ある限り、その欲望を叶えるために技術は進歩します。
願望や欲望があるかぎり人類は進化し続け、技術や商品、サービス、企業はもちろん、社会そのものをも進化させ続けます。
日本経済新聞 電子版 願望や熱望をマーケティングの原動力に
人類全体が悟りを開いたら止まるかもしれませんが、少なくとも私たちが生きている間はムリでしょうw
技術は、資本を投資して作られる知的財産です。
競争社会である限り、投資したものは守ろうとする原理が働きます。
知財を守る盾が特許です。
なので、特許業務は人が欲望をなくさない限り存続します。
ちょっと大げさな話になりましたが、あながち外れてないと思います。
外国には特許の潜在需要がある
日本は少子高齢化でマーケットとしての魅力が弱くなっています。
一方で、外国の市場は大きくなっています。
市場の大きい国で特許は特に有効です。
新規参入を防止して市場を独占したり、既存プレイヤに特許を用いて訴訟で追い出したり、ライセンス料を取ったりできます。
外国の市場については2つの観点で魅力があります。
・既存のマーケット大国
・新興国の台頭
既存のマーケット大国
既存のマーケット大国としては、米国は世界一の消費大国です。
中国もすでに消費大国ですが年々市場が拡大しています。
また、米国では特許はかなり重視されています。
中国はまだ意識がそこまでありませんが、政府として知財立国を目指していることもあり、今後は知財保護の動きが進んでいくと思います。
新興国
新興国は、発展途中では特許はあまり有効ではありません。
知財に対する意識が低く、権利侵害も日常茶飯事です。
しかし、成熟すれば自国で知財が生まれてきます。
そうなると、自国の知財を守ろうとする動きが出てきます。
そのために法整備が進み、国内での知財の重要性がアップします。
その結果、新興国での特許の需要が増えます。
企業知財の業務領域が拡大している
企業知財は、基本的に知財の創出、管理、活用を業務としています。
しかし、昨今はそれ以外の領域の仕事も求められてきています。
例えば、新規事業開発の検討段階から入り込んで、事業選定に有用な情報を収集して提示するなどのこれまでの業務領域を超えた活動が求められています。
それに伴い、従来の業務に充てられる時間が減ります。
しかし、質は維持しなけれなりません。
そうなると、従来の業務パートナーである特許事務所からのサポートが必要になります。
特許事務所側からしても新たな領域での業務が増えることになります。
私は特許事務所を経て企業知財の仕事をしているので、この業務領域の拡大による変革の重要性は普段からかなり感じています。
とにかく企業知財はやることが広範囲で手が足りません・・・
オワコンにならない弁理士の条件
ここまでは、弁理士がオワコンにならない要素については解説しました。
ここからは、オワコンにならない弁理士の条件について解説します。
新しい技術を追いかける
先ほど、技術は進歩するから需要がある、と話しました。
となると、その需要をゲットするためには、自分も技術の進歩についていく必要があります。
・新しい技術が出たら勉強する。
・新しい商品が出たら触れてみる。
・トレンドに敏感になる。
といっても、常に気を張ってサーチするのは疲れます。
なので、少しだけ新しいものに興味関心を持つことを心掛ける、というのがよいと思います。
グローバルな視点を持つ
基本的に、特許のメインな需要は外国です。
なので、グローバルな視点を持つが重要です。
技術や商品についても国内ではなく海外の市場動向にアンテナを立てるべきです。
具体的には、毎年年始に行われるCESなどのイベントや海外メディアのニュースなど。
また、法律についてもグローバルな知見が必要です。
特許法は国によって異なります。
なので、国ごとの特許法を知らないと権利が取れなかったり、コストが余計にかかったりします。
語学を習得する
グローバルな視点を持つに関連していますが、語学はもはや必須ですね。
海外の情報を得るにはその国の言語が必要です。
日本語でも得られる場合はありますが、情報が遅れますし、正確な情報とも限りません。
正確な情報を素早く手に入れるには語学習得がおススメです。
もちろん、外国特許庁や海外事務所とのやり取りも外国語です。
語学習得をしない人は限られた国内の仕事を取りに行くしかありません。
なお、外国特許庁や海外事務所とのやり取りは大体が英語OKです。
なので、基本的に英語が使えれば大丈夫です。
クライアントの潜在需要に応える
国内の仕事をやるにしても、海外の仕事をやるにしても、漫然と仕事をしていては継続的に仕事をゲットできるとはかぎりません。
継続的に依頼をもらうには、クライアントに満足してもらう必要があります。
クライアントが満足する条件は2つ
・顕在需要に応える
・潜在需要に応える
顕在需要に応えることは、要は受けた内容をしっかりこなすことです。
当たり前じゃん、と思われるかもしれませんが、意外とできていない人が多いです。
本当にその納品物はクライアントの要求を満たしているか、を納品前に考えてみてください。
でも、まあ顕在需要に応えるのは大前提です。
重要なのは潜在需要に応えることです。
潜在需要に応えるには、日ごろからクライアントの状況を推測することが不可欠です。
例えば、出願が集中する3月には、クライアントも納品物が多くなり、1つ1つの案件のチェックに時間がかけられません。
なので、チェックに時間がかからないような一工夫(特にチェックしてもらいたい点をコメントで伝えるなど)をすると、企業知財は「気が利くなぁ」と思うものです。
正直、忙しい時はこういったサポートがとても助かるので、次もこの人に依頼しようと思いますよ
結論
弁理士は将来性のないオワコンなのか?
回答:下記ができる弁理士はオワコンではない
・新しい技術を追いかける
・グローバルな視点を持つ
・語学を習得する
・クライアントの潜在需要に応える
正直、企業知財も特許事務所も経験した身としては、上記ができれば食えない理由がないです。
ただ、いきなりすべてを兼ね備えるのは難しいかもしれません。
なので1つ1つ目標を立てて身に着けていくのがよいかと思います。
今後のキャリアのご参考になれば幸いです。
ではでは。
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