視点の異なる業界研究

おはこんばんちは。りってるです。

今日はちょっと変わった業界研究についてお話したいと思います。

「業界研究」就活したことある人ならこの言葉よく聞いたのではないでしょうか。エントリーシートの志望動機や面接で応答するときのネタなどのために情報を集めたかと思います。

一般的に、業界研究では、下記の情報を集めたり、それに基づいて考察したりします。

・業界の主な商品・サービス
・業界の動向
・業界に属する企業の業績
・各企業の特徴

これらは、主に現状を示す情報です。

確かに、現状の情報も重要です。例えば、現状で業績が悪い企業は採用数も減らすでしょうし、給与もカットされる可能性があります。

でも、将来の情報も知りたくありませんか?

もちろん未来をズバリ言い当てるような情報は存在しませんが、予測に使える情報はあります。

その情報の1つが「研究開発」です。

(1)研究開発
(2)研究開発情報の集め方
(3)集めた情報から考察

目次

研究開発

生き残る企業は皆、研究開発に資金を投入し、将来の商品・サービスに備えています

例えば、次々と革新的なサービスを生み出している米アマゾン・ドットコムの2019年の研究開発費は約359億ドルでした。売上高が約2805億ドルなので、売上高の約12%以上もの大金を研究開発に回していることになります。

出典:Strainerより抜粋

これだけ潤沢な資金を投入しているからこそ、今私たちが利用している便利なサービスを生み出せているといえます。

研究開発情報の集め方

では、どうやって研究開発情報を集めるか?

簡単な方法

比較的簡単な方法としては、プレスリリースなどのニュースをチェックすることです。

よくテレビやネットなどのメディアのニュースで、企業の新技術・新サービスの発表を取り上げていますよね。それを日々チェックする方法です。

また、気になる企業のホームページをチェックするのもよいです。メディアで取り上げられるニュースは限られていますから、こちらをチェックするほうが確実です。

この方法の長所は、無料であること、分かりやすく情報が整理されていること、です。

特に、世に知ってもらうための発表なので、企業側・メディア側で分かりやすく整理されています。

この方法の短所は、情報が浅いこと、断片的であること、動きとしては遅いこと、です。

分かりやすさのため細かい情報はそぎ落とされ、知ってほしい情報のみになっています。また、企業側が準備がしっかり準備した後に発表されるので、その動きに対して行動するには少々遅くなってしまいます。

例えば、発表される新サービスに関する技術についてはその数年前に特許出願されていることがあります。なので、発表後にその技術・サービスに関わろうとするのは出遅れといえます。

難易度高めな方法

これに対し、難易度が高めな方法としては、ビジネス誌、業界紙、特許情報をチェックすることです。

ビジネス誌としては、例えば、日経ビジネス、東洋経済など、
業界紙としては、特定の業界のことだけを記事にした業界新聞など、
特許情報としては、特許庁が公開している公報など、があります。

この方法の長所は、情報が詳細であること、動きとして比較的早いこと、です。

雑誌や特定のWebページの一定範囲を確保して記事が掲載されるため、情報の量も質もニュースとは段違いです。また、業界紙などはネタが少ないので初期段階の動きでも掲載されることがあります。

この方法の短所は、有料であること、アクセス・読解が難しいこと、です。

このレベルの情報になると、雑誌もネット配信も有料であることがほとんどです。また、業界紙や特許情報は専門用語が解説なく使われるため、素人には理解が難しい場合があります。

集めた情報から考察

集めて「へーそうなんだ」で終わり、ではありませんよね。
集めた情報を目的に応じて利用する必要があります。

意図の推測

考察の1つとして、企業の意図の推測があります。

例えば、新技術を開発したというニュースの場合、それが異業界の技術であるならば、その企業は既存ビジネスとは違う新たなビジネスに乗り出す可能性あり、と推測できます。

富士フイルムの例では、カメラやフィルムの製造販売といった事業をしている傍ら、バイオ技術の研究に取り組み、その後に、アスタリフトというブランドの化粧品販売という新たな事業をするようになりました。

行動への落とし込み

そして、そこからさらに一歩踏み込んで、推測した企業の意図から自分が何をすべきかを考えます

転職を目的としているなら、その意図に関する技術情報にアンテナを広げたり、知識・スキルを身に着けるために行動する等です。

投資を目的としているなら、その意図に関する業界の動向を調べたり、将来のビジネスを想定する等です。

いずれも高度なレベルまで行動しようとすると難易度が高いかもしれませんが、キーワードに少し敏感になっておく、というくらいでも知識や経験の蓄積度合いは変わってくると思います。

まとめ

今回は、一般的な業界研究では扱わない研究開発の情報の紹介と情報収集の仕方・行動へのつなげ方などについてお話ししました。

現在は、ITが進化し情報はかなり集めやすくなりました。その一方で、皆が知り得る情報では差別化ができなくなってきているともいえます。

これに対し、将来の情報はほとんど落ちていませんので、その推測に役立つ情報を集めて考察することで、一歩先の行動をすることができます。

この記事が皆さんの一歩先の行動に少しでもつながれば幸いです。

ではでは。